最近よく感じるのは「安いものを買って得したことがあるのか?」ということ。
日本国内で生産しても「高くて誰も買わない=市場を占有できない」というメーカー的発想は、そもそもタイランドやマレーシア、中国などでクローン商品をつくると、人件費や材料のコストが日本国内よりも安いから、そこで作って輸入したほうが国内で買う場合も安いし、元々日本製品の販売市場は国外の比重が大きいから輸送コストも下げられる。というのが主な理由だ。
しかし、生産コストの安い海外の人達だって馬鹿じゃない。自国内で作って倍以上の値段で日本で流通している商品をインターネットで発見すれば、当然、直接日本の販売店と取引して差益を生むほうが儲かる。タブレットやスマホの部品を中国から横流ししている人も、それを買う日本人も「儲かる」というところに重点を置いて商売をしているから、そこに「商品に対する愛」は無い。
愛されない「商品」や「人」はもちろんだが、愛されない「考え方」や「姿勢」「理念」は、決して長続きしない。
安さだけを求めたり、対価以上のものに過剰に期待する事は
結果的に得をしないし理解も出来ないし「愛せないモノと暮らす」ことになる。と、修理人は考えています。
先日、某大手国内電気メーカーF○Tに勤めていらっしゃる、半導体技術者の方からの依頼でデータ復旧をさせていただいた。
その際、引渡しデータを入れる外付け媒体=HDD-2TBを八王子のビックカメラさんに買いに行かれたと言う事で、とても面白い写真を撮ってきて下さった。
LaCieというMacユーザーには昔から馴染みのある、HDDの外装インターフェイス(ケース)組み込み業者(現在は国内=ELECOMが販売している)だが、先月まで7,000円前後で売っていたUSB3.0HDD2TBの2.5インチポータブルドライブの値段が6,000円近く(約倍の値段)高くなって13,800円で売っていた。
なんと、このHDDは「最大48万円もかかるデータの復旧がなんと1回無料」という、宣伝なのか?脅しなのか?よくわからない売り文句で販売されていた。
まあ確かに、銀座辺りでデータ復旧に89万円だの69万円だの言われたことが有る人には効く?のかもしれないが、この売り方には「愛」があるのだろうか?ふと、疑問に思った修理人なのでありました。
ちなみに、このサービス48万円の保険金をくれる訳では無いので勘違いしないでください。
そして、もちろんデータ復旧の保障は一切していません。
技術者が2人集まると笑いが絶えません。
顔を合わせて、対面でデータ復旧を行いながら大爆笑した2時間でした。
安物買いの銭失いは決して得をしませんが、正確な市場価格とその設定内容を知らずに買ってしまうというのも、どちらも得などしません。ついでに、部材や消耗品の流通価格や、付加価値としての技術料などを正しく把握していれば、データ復旧の目安金額は自ずと決まってきます。そうして私が独自に決めているデータ復旧料金がコレです。
LogitecさんもElecomさんもTEAC時代に私が造っていたFDDのUSBインターフェース(ケース)を作っていた業者さんなので、嫌いなわけでは無いですが、おかしな方向に販売手法を伸ばさないようにしていただきたいと、心の片隅で祈っています。