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長男から学んだ知的障碍と就労と「どうしたらいいか?」について

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当店には家族に障がいのある方が多数ご来店されます

ご存知の方も多いですが、修理人自身が障がいや知的障がいに対して「オープン」であり「隠すようことでは無い」し「恥ずかしいことでは無い」と考えているので、当店のウェブページをご覧になったご本人や親御さんからも、多数のデータ復旧やパソコン対面修理のご依頼をお受けしております。

長男を高次脳機能障害と発達支援のためのクリニックに連れて行きました

幼少期

現在23歳の長男は、小学一年生のときに担任の教師から「知的障がいがあるかもしれません」と言われました。彼が5歳の時、今の妻との再婚と同時に養子に迎え、父親として初めて育てる子供だったこともあり、教師の言うことに腹を立て、そのうち大きくなれば変わるだろう。と夫婦共々楽観しておりました。

小学校

ところが、小学四年生(10歳)になっても、高卒の両親が経験してきた過程を振り返っても、学校の勉強は全く身についていない事が不安になり、公立小学校の5年生の担任に「様子を見て教えて欲しい」とお願いしました。1年間を通して様々な子たちがいる中で、長男の普段の学校での生活や授業中の態様について観察していただいた担任の先生からは「小児病院の児童精神科に相談してみたら?」と言われたので、夫婦で当時八王子の小児病院の中にあった心療内科に通いました。

中学校

三ヶ月に一回のペースで中学校卒業前まで心療内科に通いましたが。二度しか機会はありませんでしたが、愛の手帳の判定では毎回グレーゾーンでした。父親としては将来の事を考えると「学校の勉強をしないのではなく理解して覚えて次の授業やテストに活かす事が出来ない」状況なので、手に職をつけて誰にも負けない職歴を中学校卒業と同時に積み始める事を勧めましたが、本人も妻も祖父母も高校に行く事を望んだので、千歳烏山から程近いチャレンジスクール都立世田谷泉高校に入学できるよう、中学校二年生の時から八王子市立中学校の担任や校長に相談し、他の生徒とは学業レベルが明らかに異なる数人の生徒と一緒に特別な授業カリキュラムを組んでいただき、定時制枠で合格することが出来ました。

高校

軽度の自閉症や知的障がいが目立ち始めるのは10代前半~思春期にかけてですが、多くの場合は身体の成長に伴い自立心が芽生え始める時期であり、自我の確立に伴う他者に対する差別感情や、恋愛感情の根底を支える排他的な感覚が増してくる子が多い中で、知的障がいが目立ってくる子達には幼さが常に残るため、イジメや暴力によって傷つき、不登校や引きこもりが発生します。

都立世田谷泉高校の入試倍率は軽く10倍を超えていたことからも解かるとおり、現在の社会は修理人が同じ年齢の頃=1970~1990年に比べて、社会全体として、少子化で子供達が嫌でも目立つ状況の中「多様性を受け入れなければならない」とわざわざ訴えなければならないほどに、実際に困っている子達が表に出やすくなってきた。という事なのかもしれません。

蛇足

確かに修理人の中学時代にも困っている子は居たと思いますが、困っているなりに仕事をして、困っているなりに仕事をやめて、また困っているなりに再就職して多くの場合生きています。もちろん死んだ同級生も親友も居ます。

犯罪を犯して罪を重ね、何度も刑務所を出入りしている者も居ると聞きますが、親の不仲や死別によってある時から生活が一変し人が変わったようになった者も居ました。

それでも昔は、耐えるなり隠すなり新たな居場所をどうにか見つけて、多くの困っている人達も社会の中に溶けるように存在していたんだ。と修理人は受け止めていたのですが、それはどうやら大きな勘違いだということが、高齢者介護の現場の実態を知ることで、やっと解かってきました。

自閉症や知的障がいを持つ人で、現在も65歳に満たない=つまり高齢者扱いとならない=介護保険や障がい者給付などの対象とならず申請をしていない多くの人は、今も家に居ます。昔から家の中に居ます。今後親が介護対象となったり、先立たれた場合に、誰もが驚くほどの人数の障がい者が社会の中で見えてくるはずです。

居ないんじゃありません。見えてないだけです。

アルバイト

長男の話に戻りますが、彼も中学生のときに周りの同級生と同じように「携帯電話が欲しい」と言いましたし「ゲームが欲しい」と言いました。PSPなどのゲームは買った記憶がありますが、携帯電話などの外部通信機器については完全に制限しました。それは、自分で働いて自分の稼ぎで買い、維持するだけでも毎月お金がかかるという事を、身をもって知らせたかったのと、働く事がどれだけ困難でありどれだけ楽しいか知って欲しかったからですが、高校に入って最初の夏休み16歳の時から、アルバイトで蕎麦屋の皿洗いを始めました。そのまま19歳で高校を卒業するまで続け、その蕎麦屋に契約社員として就職しました。20歳になり正社員となりましたが、蕎麦屋のオーナーが他界されたことで虐められることが多くなり退職し、熱海の住み込みの老舗旅館の板場を紹介されましたが、そこではさらに陰湿な虐待に遭い一ヵ月半で泣いて家に帰って来ました。つい昨年暮れのことです。

就職

修理人とはもう5年以上前になりますが、バリ島でのサーフィンをきっかけに知り合い、長男の知的障がいを理解して度々気にかけて下さる Landerblue Co,Ltd, :ランダーブルー株式会社永江一石さんが、これまでの事情と経緯を充分理解した上で、長男の新しい就職先を紹介して下さいました。

今長男は、銀座四丁目にある銀座魚勝さんで働いております。

もう半年になりますが、まだまだ慣れない・・・というか、いつか慣れるものなのか? も含め手探りでは有りますが、銀座魚勝さんの親方も女将も息子の知的障がいに対して、一般的な職場であれば考えられないほど深く理解してくださる方たちです。

それでも、お越しくださるお客様から対価を頂くとても大切な信用に関わる料理の仕事ですから、出来る限りお客様にもお店にもスタッフにもご迷惑とならないよう、なにより長男本人にとって負担やストレスとならない方法を、親方も女将も私たち家族も毎日考えていますが、昨日、より深く彼自身を周りも理解し、本人も自分自身を理解しやすくなる事を願い、高次脳機能障害と発達支援のためのクリニック はしもとクリニック経堂 へ診察に行きました。

高次脳機能障害と発達支援のためのクリニック(専門医)

問診の結果、長男には、ASD:自閉症スペクトラム、ADHD:注意欠如、LD:学習障害、DCD:協調運動障害の4種の症状がある事が分かりました。

また、八王子の精神科で処方されて今飲んでいるクスリ:ストラテラは、この4種の内2種に該当する場合に効果がある薬で、長男には合っていて効果も出ているので、量を調整しながら続けさせることになりました。

長男の知的障がいの場合は、生活環境の変化や生活リズムの変化、職場での自身の失敗や、朝起きられなかった事による遅刻、結果叱られることも含め、自身の障害が原因で問題を起こしてしまうことで、さらに自身にストレスがかかると4種の内のどれか、又は複数が表出してくることで、さらにストレスを抱えて、さらに間違ったり失敗を繰り返す結果となる傾向が強いことが解かりました。

それは、彼自身がしっかり職場で役に立ちたい。と思って向いている方向や、こうするべきだと内心で思っている事と矛盾した結果として出てしまうため、それを理解したり、その経験を次に活かそうと考えても、自分が考えているような結果を必ずしも出すことができないことにもストレスを感じています。しかし、人間は本当に良くできていて、このような自分自身が理解不能な不安定な状態を回避するために、意図せずに(これも自身の知的障がいを活用して)叱られた数分後、場合によっては数秒後にはケロっとした態度で他の人と楽しく接しようとするのだそうです。

専門医に診てもらった事で、だんだん彼自身の特徴が解明出来てきて、理解しやすくなったと感じています。

彼がアルバイトして自分でスマホを買った時からずーっと気になってましたが、休みの日などに飯を食う時と風呂に入る時とトイレに居る時以外、例えそれが海外旅行であっても、一日中スマホのゲームばかりしていて、何気ない日常会話ですら「全く他人の話を聞いていないんじゃ無いか?」とイラつく事が多かったです。

修理人がいい加減怒って「目が悪くなるから止めろ」などと、適当な理由をつけてスマホを取り上げたり制限すると、彼は私に怒りをぶつけることも無く、ただただ不安を抱えた不安定で落ち着きの無い状態になった事をよく覚えています。

それは、ADHD:注意欠如が出て落ち着きがなくなった様に他の人からは見えますが、本人は体がふらふらして不安を感じているそうです。

また、そもそもLD:学習障害とDCD:協調運動障害があるため、場の雰囲気に合わせて、世間話をしている時にもその場に居る他の人の何気ない話を聞いたり、話をあわせて知ったかぶりしてみたり冗談を言う事は息抜きにはならず、ただただ集中力という労力を使うことになり、注意して聞く努力が必要なようです。

一般的な目線や親の立場からすれば、正に「目から鱗」でしたが、これからも診察を続けることで、より彼自身が生きやすい人生の取り組み方を、職場の皆さんと共に模索してゆこうと考えています。

知的障がいを理解するために障壁を知る

まぁ~書き始めると長々と延々と書いてしまう悪い癖がある修理人なのでw わざわざ読んで下さった皆様に最後にお伝えしたい事は、ご家族の知的障がいを理解するためにとても高くそびえ立つ障壁について書いておきます。

まず、誰にでも何かしらのこだわりがあり、誰にでも何かしらの無関心があります。誰かの事を好きになってしまえば、結婚している伴侶を裏切ってまで不倫関係を持つ人も居れば、一生童貞や処女のままの人も居ます。最近表に出てきたLGBTも、ある人から見れば、それらは「障がい」や「病気」と受け止める人も居るでしょうし、そのような事実が有る事を知っていれば「そういう人も居るよね」と気にもならないでしょう。

世界中で盛んに言われている「多様性」とは、正にこのことです。

知的障がいを持つ人が一番困るのは、その状態を「知らない」という事です。知ってさえもらえない、興味を持ってさえもらえない。同じ人間としてその存在すら無いに等しい。ということに繋がります。また、親に至ってはその状態を「恥ずかしい」と受け止めたり「隠そう」としたり「知らせまい」とします。

例え社会がどうであれ、全く同じクローン人間を作らない限り、人は全て違いを持って生まれます。養育環境によって変化することもありますし、交通事故や脳の損傷や身体の損傷によっても人は変わります。年齢を重ねるだけでも人は変わります。

だから「人間はこうだ」「うちの子はこうだ」「あそこの家の子はこうだ」と決め付けてしまわないで下さい。皆違う人間が自分独自の特徴を抱えて生きる中で、自分自身を「こうだ」と決める必要はありません。実際、常に変化していますし、変化を懼れる必要もなければ、なりたいように成る努力をしたらいいんです。多くの場合、思うように行かないことばかりでしょう。でも、それでいいんです。その過程が人生そのものなのかもしれません。

知らない事を知る事は世界が大きく開けるだけで、失うものは何も有りません。

知的障がいは外からは全く見えません。それでもご家族やお子さんが、社会や学校や家庭で困っているなら、是非専門医に相談して「知ること」に努めて下さい。

必ず困っている事は小さくなります。

平成17年度知的障害児(者)基礎調査結果の概要

障がいを理解するために乗り越えなければならない障壁は、こうあるべきだと親や他人が「決め付けた期待」を、親や他人の側がどう乗り越えるかにかかっています。

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