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よくある質問への回答:子供にパソコンを教えるには?

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毎日、近隣の方や遠方からもわざわざパソコン対面修理やデータ復旧、SSD換装などのご依頼で、多くの皆様が当店にお越しくださいます。

今年いっぱいでWindows7のサポートが打ち切られることもあり、今年に限ってはパソコンの販売台数がかなり増えていますが、会社やご家庭など必要な場所にはおおむね行き渡っておりますので、買い替え需要で安定した出荷台数となっております。

パーソナルコンピュータ国内出荷実績(JEITA)

よく受ける質問ですが、当店にわざわざお越しになるほどのお客様ですから、パソコンを重要なものだと考えている方々ばかりですが、だからこそよくお客様に聞かれるのは

「子供にパソコンを教えるには?どうするのが良いか?」

という質問です。

修理人が最初にパソコンに触ったのはいつ?

1982年当時=中学生のときに友達がNECのPC-8000シリーズを1台持っていました。が、私は全く興味が無く、少しだけ触らせてもらった事を覚えていますが欲しいとも思いませんでしたw

本気で、というか必用にかられてパソコンを触ったのはTEACに就職してからの事ですから1988年(18歳)からです。

当時から簡単なゲームなどもありましたが、もっぱらパソコン周辺機器の組み立てや検査のためにパソコンを使っていたのですが、故障したり不具合が発生すると、先輩や上司など、誰かに聞きたくなりますが、解決方法が分からないことも多く、その都度自分で直すしかなかったり・・・特に、海外での修理や海外工場の生産ライン立ち上げ~稼動までなどなど、私にとってパソコンは毎日の悩みの種でした。

自分にとってパソコンは “切れないハサミ” や “つかめないペンチ” のような、最初は使い物にならないただの道具でした。でも、世の中の道具というものは何でもそうですが、自分で改良すればしだいに使いやすく愛着がわいてくるものです。

手の届く範囲、言葉の届く範囲に解決方法はありませんでしたし、当時はインターネットもまだまだ普及しておらず、辞書にも書いていない事を毎日調べてトライ&エラーを繰り返し、しまいに修理人はパソコンの気持ちが解かるようになってしまいました。まるで、言葉を交わすかのように・・・夢の中では話してましたw

事実、コンピューター言語というのはパソコンとの意思疎通=言葉のやり取りと成果物の受け渡しをするための共通言語であり、プログラミングが出来ることとは、パソコンを言葉で操り成果物を生み出させることです。

最初からパソコンで何かをさせる必要は無い

子どもにとって今のパソコンは「何でも出来そうな宝箱」です。

触り始めれば、操作方法も使いこなし方もすぐに覚えられるので、来年2020年から始まる新小学校学習指導要領におけるプログラミング教育に向けて電源の入れ方やシャットダウンの仕方を予習する必要はありません。

ただし「パソコンが何であるか?」についてはシッカリ伝えておきましょう。

ここを勘違いすると、パソコンに振り回されることになります。

パソコンとは?

パソコンは「道具」です。

それ以上でもそれ以下でもありませんが、今や使う側の言葉や仕草、利用時間や利用方法、利用する人の特徴や趣味、好みや、求めるモノも避けるモノも、騙されやすい事柄まで、あらゆる痕跡を情報として蓄積し、私たちが忘れていることや忘れてしまいたいことまで、シッカリと記憶している道具です。

この程度であれば、プログラム言語という共通語を話せなくても、利用者とパソコンは意思疎通ができ(たように見え)、利用者にとって必要なものや事柄を情報としてパソコンは提示してくれます。

パソコンが吐き出す成果物の特徴を理解するには?

吐き出す と書いたのには理由があります。

パソコンは「利用者が求めるもの=期待する成果物」を出すように仕向けると、どんなものであれ成果物を出してきます。それは、パソコンが蓄積してきた情報や(インターネットを介した)世界中の情報ネットワークが蓄積してきたデータの中から『利用者が仕向けた情報を元に』成果物を吐き出します。

この成果物は当然ながら美しいものばかりでは有りません。

間違った情報=私たち人類が長い年月をかけて蓄積してきた科学を無視したトンデモなどの情報を元にパソコンと向き合えば、間違った情報をさも事実のように吐き出します。

“情報商材” や、ありもしない “儲かる話” “詐欺” “命に関わるとんでもない医療モドキ虚偽情報” など、他人を欺くことで何かを得ようと考えている人が情報を求めれば、他人を騙すための情報ばかり吐き出します

つまり、パソコンは利用者の内面を映す鏡のような振る舞いをします。

人工知能と呼ばれるAIは、蓄積されたデータを元に「人が考えうる思惑」=「意図」までをも生成します

これは、人間=その人自身が生きてきた中で経験してきたことや体験してきたことや学んだことを元に、自身が振舞った結果を自分なりに解釈し、受動的にも能動的にも振舞える生き物として蓄積してきたデータを保持しながら、生き続けたい欲求と、いつかは死んでしまう避けられない事実との矛盾の中で、自分に都合よく覚えていたり忘れ去ってしまうことも織り込み済みで、人間の内面が生成されている。と仮定して、その内面の形成=自我の形成をパソコンという道具に仕向けさせ置き換えた。という事だと考えられます。

法律で規制をしようが罰則を設けようが何をしようが、そもそも「人間には出来ないことなど何も無い」ということを理解しておくことはとても重要だと考えています。

つまり「人が何かを実行するかどうかは必ず自分自身で決めている」という事です。

それを決める基準を自分で持っていなければ、人間はとても不安定な生き物です。

AIはそのこともデータとして蓄積していますから、AIは自我を持つ事が出来ます。

子供にパソコンを教えるには?

パソコンに向き合う前の準備段階で重要なことや知っておいて頂きたい事は上に全部書いたので
*子供にパソコンを教えるには?
*どうしたらいいか?
ということについてお伝えします。

まず、この質問の趣旨は「子供がパソコンを有益に使えるようにリテラシーをつけさせたい」という事だと理解しています。

人格形成期の養育者のありかたは重要だが全てでは無い

この質問に対する回答は、基本的に修理人なりの子育ての話になってしまいます。

子育てをするのは、多くの場合両親や同居の家族になると思いますが、その際に充分気をつけていただきたい事があります。また、これは社会で生きてゆく上ではあたりまえのことでもあります。

子供にとっては、育てている人を同一視しているであろう小学校低学年のうちは特に、子供の前であろうと無かろうとに関わらず、ズルをしたり嘘をついたり騙したり、他人を蔑んだり馬鹿にしたり差別したり、理不尽に叱ったり、困っている人を放置したりしないで下さい。何があってもです。

自分がそうされたとしても仕返し=リベンジは無しです。

もし、普段自分のしている事が社会的には認められない行為である場合、例えば家庭内暴力や言葉による虐待やイジメをおこなっている場合、ニュースなどでは “躾だ” “愛情だ” “親になりたかった” などと言い訳して、自分以外の人の身体や心を傷つけることを悪いことだと思っていない場合もありますから、当店には来る事のない第三者に対してわざわざ書きますが、他の人格を傷つける人は一旦子供から離れる事をお勧めします。

100%そのように出来る人がいないことも分かっていますが、それでも毎日の努力姿勢を、子どもは観察しながら人格を獲得してゆきます。

子供もまたパソコンのように、養育者にとって鏡のように育ちますが、子どもは親が思うようには決して育ちません。

想像もしなかったような成長を日々目の当たりにすることでしょう。

そして目の前にあるパソコンも、日々進化をしており、より人間の感覚に近い道具になってきております。

諦めることや遠慮することで他者との衝突無く生きることが幸せか?

『子ども自身が幸せだと思えるような生き方をして欲しい』

と願うのは養育者として当たり前かもしれませんが、もし本当にそう願うなら、子どもが「やりたいこと」を見つけたら諦めさせない。遠慮させない。ことは重要です。

たとえ他者との衝突や摩擦が起こるとわかっていても、先手を打って障害物を取り除いてしまえば何の成長も見込めませんから、それも含めて子ども自身の経験値として獲得させることはとても大切です。

また、子どもの質問に「養育者という立場での答えを示さない」ことも大切です。

これも非常に難しいと思いますが「言葉や態度で子どもを支配しない」ことと「奴隷のような生き方に甘んじることのない」人生を子ども自身が獲得するためにはとても大切なことです。

他責的な人客観的にと言いながら「養育者の育て方が悪かったから子どもが幸せになれなかった」などと、他人の生き様を勝手に親の責任と決め付ける人もいるようですが、自分に精神的支配経験精神的奴隷経験があると、容易にその人(=強者/弱者)の立場になってものを言えます。この場合、他責的な考えの人とは距離を置く必要があると考えるかもしれませんが、子どもにとって反面教師になる可能性もあるので、子どもに危害が及ばない範囲で制限を設ける必要は無いと考えています。

これらは全て、子ども自身の人格形成に必要なデータの蓄積です。

先にも書いたように、人間にできないことは何も有りませんから、誰かが何かをしない事もされないことも有りません。

子どもに危害が加えられることは徹底して排除したいところですが、様々な意図を持った複数の人間が共存している社会の中で全てを排除することも不可能です。が、全てを受け入れる必要もありません。

書けば書くほど長くなるのでそろそろ終わりたいですが、パソコンという道具を使いこなすためには利用者自身がものごとを判断する考えの基準を自分で持つ事とそれを通す意思とまだ見ぬ未来に向かう姿勢」が必用です。

つまり、あらゆる事象に対して、興味を持つかどうか? 疑問を持つかどうか? 情報収集して学ぼうとするかどうか? 実行するかどうか? という能動的判断基準をどう持っているのか? というところで、その子がパソコンを使いこなせるかどうかはこの【?】で決まります。

そして、子どもはあらゆる【?】に対して「支配さえしなければ」「制限さえしなければ」「隷属さえさせなければ」全部やります。必ず行動に移します。

美しさ、醜さ、怖さ、気持ちよさ、恥ずかしさ、などの感受性を育む

例えば、修理人が子どもたちにパソコンの操作方法を教えることはありませんが、パソコンで何ができるか=成果物を示すことは有ります。

下の画像は私の手の写真をモチーフに、PhotoshopというソフトとIllustratorというソフト(両方とも色鉛筆程度の道具)を使ってグラデーション無しの1色で形を表現する。という課題です。

子どもには上の二枚だけを見せて、手書きで修正したい箇所のアドバイスをもらいました。下の6枚の写真は色による見え方のバリエーションです。

つまり「何を目指し何をもって完成とするか?」という目的を考えて自分なりの基準を設定する部分の “判断力”“決断力 ““決定力” “人間には必用”“大切な部分” なので、そこを子どもに考えてもらい、実際にパソコンとソフトを使って手を動かし、修理人は頭を使わない道具になってみたわけです。

その基準は、そのひと個人だけがもつ独自のものであり、これまで生きてきた経験や蓄積された感覚、感受性や体調に左右されますが、そこにはすでに蓄積されたデータを元に振舞うパソコンは必要なく、子どもが家庭など外界からの刺激によって自身で普段から育んでいる部分の外部への表現のしかたの練習ですから、何度でもやり直してその時々の時点で納得がいく成果物が出来ればOKです。

これに必用なのは、美しさ、醜さ、怖さ、気持ちよさ、恥ずかしさ、などの感受性です。

ところで、過去の蓄積データを元に成果物を吐き出すパソコンに感受性を持たせることは出来るでしょうか?

答えは:出来ません。
ある技術を使えば感受性を持ったようにパソコンが振舞うことは出来ます。

なぜなら、感受性を受け止める人間には「忘れるという能力」があるからです。

パソコンには「放っておいたら勝手に忘れる能力」はありませんから、パソコン自身が感受性を持つことはできないのです。ただし、パソコンの振る舞いを目の当たりにする人間からは「パソコンには感受性がある」と見えるでしょう。

パソコンのデータの扱いについて

人間は忘れることで過去の感覚を新しいものとして認識する事が出来ます。

印象を受け止める能力や感じ取る能力は時間の経過と共に常に変化しますが=それは忘れてしまうから変化したと受け止めているだけです。誰かを見て「感受性が豊だ」と思うのは、ある固有の人格に新鮮な発見があるからです。

もし、あらゆる印象をデータ化して蓄積できるとしたら、そのデータをいつでも引き出せるとしたら、また、蓄積した古い情報に新しい情報を追加した後に与えられた新しい印象もデータ化して蓄積できるとしたら? そう、パソコンは忘れさせない限り忘れるという能力が無いんです。そして、データは必要に応じて残すことも、必要に応じて消し去ることも出来なくなっています=つまりコントロールできなくなっています。

綺麗好きで掃除好きな人は、ゴミ箱に入れた不要なファイルを直ぐにゴミ箱から削除して消そうとしますが、パソコンで扱ったデータは一切消す必要がありません。

「不要なストックデータ」として不要データの管理をすれば良いです。

時系列に管理できているとさらに分かりやすいです。

これは、あとで消さなければならないようなデータの収集や作成は必要ない。ということですが、実は必要ないモノなどありません。その時々に必用だったモノが、後から必要ないモノとして印象が変わっただけです。

人間が過去の事実を消し去る事が出来ないように、パソコンに蓄積した情報は、暗号化されようがされまいが、スタンドアローンで目の前のパソコンの中にしかないデータであっても、データのクラウド利用などで世界中の情報ネットワークに蓄積していることに変わりは無いので、いったんパソコンが扱えるデータにしてネットワーク上に出た情報は、完全に世の中から削除/消去することは不可能だと考えてください。

物理的に破壊しない限り、データの削除や消去に意味は有りません。

同時に、これからも必要なデータが一箇所だけにある場合、絶対に失わない。という事もありません。記憶媒体は必ず壊れますからいつ失っても不思議はありません。

一見、矛盾しているように読めるかもしれませんが、いつ壊れても不思議では無い記憶媒体のデータを絶対に失わないように複数の記憶媒体にミラーリングさせたり分散させたり、ネットワーク上で常に同期させたりする記憶媒体の冗長化技術がビッグデータ=コンピューターによる大規模データの蓄積を支えています。

もしコンピューターに感受性が与えられるとしたら、自身を破壊するように仕向ける必要があります。

最後に

このような修理人の考えを、パソコン対面修理中やデータ復旧中のお話の中で質問されたお客様に、全てお伝えするには時間が足りませんので書きました。

基本大切なのは、人生を明るく前向きに、困ったことほど他人の責任にせず、自分でものごとを決めて、間違った時は直ぐに改善策を立てて実行し、トライ&エラーを繰り返して自分の力を自分でつけていって欲しい。と、世界中の子どもたちに対して願っています。

注意書き

修理人は、八王子工業高校電気科卒が最終学歴であり、学校の教科書をもとにした勉強は苦手、というより全く興味が無かったのでほとんどの人が使う言葉の意味での勉強をしていませんので、長文読解いただけた場合は大変嬉しいです。

その修理人が、私を信頼してくださるお客様に「子供にパソコンを教えるには?」と言う質問を受けた場合にお伝えしたい事を、修理人の独断と偏見を基に書いておりますので、ツッコミや異論があって当然ですが、それにお応えするのにも最低でも数日程度の時間はかかると思います。

今までもこれからも、データ復旧やパソコン対面修理の依頼業務がもの凄く忙しいので、修理人が書いた事についての質問は、読んだ方の感受性で受け止めてください。

支離滅裂ですがw 続きに興味がある方は、パソコンのことで修理にお越しいただいた時にでもまたお話ししましょう!^ ^

以上

-よもやま話, 修理人の生活環境など, 個人事業主からのアドバイス, 大切な話

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